【参加者募集中!】東京・日の出町でのフィールドワーク【Tokyo Mountain University of the Artsー東京山藝術大学】
東京都は、総面積の4割が森林で、うち7割が多摩西部に偏在します。
都市と山林の境界に位置する日の出・あきる野に赴き、山林地域のくらしや自然環境に触れるフィールドワークを実施します。
地方と都市の関係や差異・問題を再認識し、藝大生をはじめとした各々のバックグラウンドのもとに、東京のエコロジーを解釈し、7月に行う藝大陳列館での展示発表の内容を共に考えます。
「東京」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
一般には、高層ビルが立ち並び、人と自動車、そして情報が溢れるビジネスとエンターテイメントのグローバルな大都市のイメージでしょう。
けれども、実はそうした東京のイメージは、一面的な見方によって浮かび上がった「東京」にすぎません。実際の東京都の総面積の4割は森林で、その大部分は多摩地区に位置しています。こうした森林地区には、都市としての東京を支える水源があり、木材が生産され、食や住のインフラストラクチャーを供給してきました。大都市というイメージの「東京」は、東京の中にある「山」や「森林」、「水」、そして「自然」という基盤のもとに作られてきたのです。
東京山藝術大学は、「山」や「森林」、「自然」の場所として東京を捉え直し、それが都心部を含む東京という生態系をどのように作っているのかを探り、可視化するプロジェクトです。これは、現在の私たちが前提としている「東京」の生活、職場、労働、余暇、都市と自然の関係、そして経済や文化とは異なったもう一つの「東京」の可能性を考えることです。このことを通じて、しばしば批判的に語られる「東京/地方」という二項対立や「東京一極集中」という議論に対して、山や森林を中心とした別の「東京」の可能性を示すことができるかもしれません。
そして、森林や山を中心に東京を見ることは、都市的な文化として語られがちな芸術、アートの定義を変えることも要求するでしょう。東京山藝術大学は、有楽町と上野、そして多摩地区の日の出町を繋ぎ、フィールドワークや講義、ディスカッション、そして、その調査のアーティスティックなアウトプットとしての展覧会企画を通じて、もう一つの「東京」と「芸術」を探そうという試みです。
■実施日程
5月15日(木)18:30~20:00:学生/社会人合同 オリエンテーション(場所:YAU)※動画視聴可
5月31日(土)〜6月1日(日) :学生/社会人合同 日の出町フィールドワーク(合宿)(場所:東京都日の出町 ※詳細は後日おしらせします)
6月26日(木)18:30~20:00:学生/社会人合同 ディスカッション(場所:YAU)
7月10日(木)18:30~20:00:学生/社会人合同 ディスカッション(場所:YAU)
7月25日(金)〜7月27日(日) 、8月1日(金)〜8月3日(日) (東京藝術大学 陳列館での展示)
※5月15日(木)のオリエンテーションは、対面参加が難しい方へ動画視聴リンクをお送りいたします。
※原則として5月31日(土)~7月10日(木)までの全日程にご参加をお願いいたします。
※陳列館展示の参加範囲については、ディスカッションの結果や、学生/社会人受講生の参加状況などを踏まえて、総合的に判断して決定いたします。
※講師の都合やその他やむを得ない事情により、授業日時や内容に関して急な変更が発生する可能性があります。
■合宿について(学生/社会人合同合宿)
フィールドワーク参加者は、下記に宿泊いただきます。
詳細はオリエンテーションでご案内いたします。
・実施日:5月31日(土)〜6月1日(日)
・宿泊先:ほっこり縁舎(https://www.ooguno-hoikuen.jp/pages/79/)
・宿泊費:無料
・食事:食費は別途かかります(31日の夕食は懇親会を兼ねたBBQを予定)
※宿泊先/宿泊費が変更になりました。
※個室はございませんのでご了承ください。
※お風呂は近隣の温泉施設またはシャワーを利用できます。
■募集人数
10名(先着順)
■参加費
52,000円(税込)
※食費、交通費が別途かかります。
■お申し込み
https://hinodecho-research-2025.peatix.com
先着順
※申し込み期間:2025年4月23日(水)17:00~5月22日(木)23:59
※5月15日(木)のオリエンテーションの現地参加を希望される場合は、5月15日(木)昼12:00までにお申し込みください。
5月15日(木)昼12:00以降にお申し込みいただいた場合は、後日オリエンテーションの動画をお送りいたしますので、動画視聴をお願いいたします。
※お申し込みにはPeatixのアカウント登録が必要となります。
■講師紹介
湯澤大樹
東京藝術大学 デザイン科 テクニカルインストラクター
3D技術を用いた社寺文化財や伝統工芸の保存継承活動をおこないつつ、宗教学・図像学をもとに制作・社寺研究をおこなう。拠点を移した東京・西多摩郡日の出町において、藝大・不忍荘の解体材や地場産材を利用した文化拠点・交流事業をつくる日の出アートビレッジ・プロジェクトを開始。住民や学生と共同で、多摩産材による自主建築、ワークショップや自然農法などを実施中。
毛利嘉孝
東京藝術大学大学院 国際芸術創造研究科 アートプロデュース専攻 リサーチ領域 教授
社会学者。文化/メディア研究。京都大学経済学部卒。ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジPh.D.(社会学)、MA (メディア&コミュニケーションズ)修了。特にポピュラー音楽や現代美術、メディアなど現代文化と都市空間の編成や社会運動をテーマに批評活動を行う。主な著書に『文化=政治 グローバリゼーション時代の空間叛乱』、『バンクシー アートテロリスト』『ストリートの思想 転換期としての1990年代』、『はじめてのDiY』、『増補 ポピュラー音楽と資本主義』。
■5/31(土)ゲスト講師
畠中実
キュレーター、美術・音楽批評
1968年生まれ。1996年のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]開館準備より同館に携わり、数多くの展覧会やイヴェントを企画した。主任学芸員、学芸課長をへて2025年3月末で同館を退任。主な展覧会に、「サウンド・アート」(2000年)、「サウンディング・スペース」(2003年)、「サイレント・ダイアローグ」(2007年)、「みえないちから」(2010年)、「坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME」(2017年)。そのほか、ダムタイプ、ローリー・アンダーソン、八谷和彦、ジョン・ウッド&ポール・ハリソンらの個展などを手掛ける。近年は、「多層世界とリアリティのよりどころ」(2022年)、「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」(2023年)、「ICCアニュアル2024 とても近い遠さ」(2024年)、「evala 現われる場 消滅する像」(2024年)などがある。ICC以外の展覧会では、「Ennova Art Biennale Vol.1」アーティスト選考委員(中国、2024年)、森美術館「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」アドヴァイザー(2025年)を務める。著書に、『現代アート10講』(共著、田中正之編、武蔵野美術大学出版局、2017年)、『メディア・アート原論』(久保田晃弘との共編著、フィルムアート社、2018年)。
■お問い合わせ
有楽町アートアーバニズム YAU
arturbanism.learn2024@gmail.com
■クレジット
主催:東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科 /美術学部デザイン科/未来創造継承センター
協力:有楽町藝大キャンパス(東京都・東京藝術大学・YAU)/社会福祉法人志正会 大久野保育園/耕雲山 天正寺/西多摩郡日の出町民の皆様